平成23年度決算特別委員会総括質問


平成23年度決算特別委員会総括質問

  1. 初期消火体制強化について
  2. 防災備蓄について
  3. 不登校児童・生徒への支援について

公明党の松尾伸子でございます。4月に当選させて頂き、今回の決算特別委員としてつとめさせていただきましたことに、感謝申し上げます。

平成22年度決算を認定の立場で、防災対策と教育問題について質問致します。

まず、防災対策について、2点伺います。1点目は初期消火体制強化でございます

3・11以後、様々な防災対策がなされてまいりましたが、木造住宅密集地の多い台東区において、一番心配なのは火災の問題です。首都直下地震では震災直後に火災が発生し、広範囲にわたって燃え広がる可能性が高い地域が多い街です。大震災が起きたら、家屋倒壊や電柱も倒れると思います。そのような状況で火災が発生した場合を想定してすでに、可搬式D級ポンプの配置や、街頭消火器、また谷中地域ではスタンドパイプの配置などをしておりますが、木造密集地域においての初期消火のさらなる対策は急務を擁しております。

東京都の防災会議における現在における被害想定では、発生条件が冬の午後6時に、風速15メートルで、マグニチュード7.3の直下地震が起きた場合、約35万棟が焼失、火災による死者は推計3500人とみられています。この被害想定も3.11東日本大震災を受け見直しが図られているところですが、いずれにしても、木造住宅が密集する地区では、最終的には区民の皆様の災害に対する高い防災意識が重要であると考えます。

特に災害弱者の観点から、高齢者、障がい者、また、火災が起きた時、家でお留守番をしているお子さんもいます。いざ火災が起きた時、原則はすぐに逃げ、助けを呼ぶことも大事なことであると思います。しかし、本当に出火直後に、とっさに火を消そうと思ったときなど、取り扱いが簡単で、廃棄コストがかからない、簡易消火剤などの備えは、必要であると考えます。本区は木造家屋の地域は、まだ多くございます。その意味でも、まず、火を出さないということが、最も重要です。

そこで、区長に伺います。

木密地域や、高齢者単身世帯、障がい者世帯、子育て世帯など広く区民の皆様へ、初期消火の補助器具として、簡易消火剤などを紹介し、防災意識の向上をさらに図ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

今後もあらゆる角度から、区民への情報提供も含め、周知の徹底をお願いいたします。

2点目に、防災備蓄についてお伺いいたします

あの17年前の阪神淡路大震災のとき、救援物資に不足していたものがあったそうなんですが、例えば、粉ミルクはあっても、哺乳瓶がない、離乳食やベビーバスに代用できるもの、下着、衛生用品、化粧品など、女性、ベビー用の救援物資です。そのほか避難所内において、高齢者や障害のある方また女性が着替えるためなどのパーソナルスペース確保に欠かせない、しきりなどです。

今回の東日本大震災においても、同様の状況が見られたと伺っております。先日は兵庫県理事、清原桂子さんの、阪神淡路大震災の女性の生活者としての具体的な発想や提案が生かされてきました。

平時から、防災備蓄についても、女性の視点からの防災対策が必要であり、広く情報収集し、大震災で被災された方々の知見を取り入れる必要があると思います。区民の皆さんからも、兼ねてから防災備蓄の内容や数量、また、どこに防災備蓄が保管されているのかという問い合わせが多いと感じております。

そこで、区内の避難所等に保管されている備蓄品について、保管されている場所や、全品目と、数量などを、もっと広報を行うなど、より分かり易く区民の皆さんの安心が得られるようにして、防災意識の啓発を図ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか

また、災害時特殊な備蓄品が必要な方がいらっしゃいます。

特にオストメイト(人工肛門・人口膀胱保有者)である内部障がいの認定を受けている方は、区内に291名もいらっしゃるのです

オストメイトとは、事故や病気によって、人工肛門や人工膀胱を保有されている方です。腹部に作られたストーマという排泄口に袋状の装具を装着し、常に新しいものと交換しなければなりません。その、オストメイトのストーマ用装具の預かり保管について、お伺いいたします。ストーマ用装具は使用されている方によって形状など個人差があります。そのため、災害などの緊急時に装具を自宅から持ち出せなかった場合の対応が課題です。例えば、個別に名前などを表記した袋に入れ、備蓄倉庫や公共施設などで預かり保管することが望まれます。

大切な区民の方にとって、命にかかわることですので前向きに取り組んで頂きたいと、考えます。区長の所感を伺います。

各備蓄庫も手狭になっているということですので、自助の立場で最低3日分の備えが必要だということは、充分承知しておりますが、いざ災害がおこった時には、生かせない場合が起こってきます。やはり、公助の備えとして、今後新たな、大型の備蓄倉庫の検討も、積極的に宜しくお願い致します。

次に不登校児童・生徒への支援について伺います

何らかの理由で、学校に行きたくても行けない児童生徒がおります。

平成21年度の統計によりますと、全国の小中学校における、不登校児童生徒数は、122,432人東京都では、9,687人。今年度8月の速報では、全国で114,971人となっております。

台東区におきましては、平成22年度で、72人でした。年々、少しずつ減少しておりますが、微妙な問題をはらんでおり、解決には、時間をかけていく必要があります。

不登校と一言でいっても、原因は様々です。

学校生活や先生との関係、友人関係、親子関係に起因るケースや、子供本人の問題で、授業についていけないことへのプレッシャーや病気による欠席からつまずいたり、発達障害などが原因だったりします。大人が何とも思わないような事柄でも、子供にとっては、想像を絶する精神的ダメージになることもあります。こういう原因の場合は、家族や友人でもいいのですが、客観的な第三者に相談に乗ってもらい、心のケアをすることも重要だと思います。そのため、幅広い対応が必要であると思います。また、その意味で、ふれあいパートナー派遣事業は、とても重要な事業であると思います。児童心理専攻の大学院生を中心に、現在4名の方が登録されていると伺っていますが、不登校児童の家庭や、学校の保健室に訪問して復学を促す役割を果たしていただいています。平成22年度に関しては、派遣実績が、ゼロ件ということで、今年度は3件あると伺いましたが、実際に不登校で悩む児童生徒と保護者にとっては、不安もあるでしょうし、定着するまで、ご苦労があると思います。

素晴らしい事業ですので、今後さらに派遣実績をあげられるように、教育相談の折や、学校側や児童生徒、そして保護者に周知徹底を図り、積極的なアプローチをして頂きたいと考えます。教育長の所感を伺います。

また、今後、ふれあいパートナーは、児童心理専攻の大学院生とともに、同じように不登校を経験した方の採用など、重層的な体制を採っていく必要があると考えます。
やはり、不登校になった人でないと、分からないつらさ、葛藤があるかと思います。教育長のご見解をお伺いいたします。

有難うございました。

以上で、総括質問を終了させていただきます。