平成30年第2回定例会一般質問


平成30年第2回定例会において会派を代表して一般質問させていただきました!

  • より実践的な防災対策について
  • LGBTについて
  • ファンドによる空き家利活用について
  • 健康ポイントについて

(本文)

大きく4点にわたり質問いたします。

1点目に、より実践的な防災対策について、区長にお伺いいたします。

防災対策を考える際の視点の一つとして、様々な時間帯に発災することを事前に想定し、それぞれに対応策を検討・準備ておくことは大変重要であります。特に、夜間発災を想定した情報の受発信、避難誘導、避難困難者の支援、救出活動資機材の調達とその備蓄、そして、普段から夜間防災訓練を実施しておくことが必要であると考えます。

発災時には、障害のあるかたや日本語が通じない方とのコミュニケーションをとるためのツールが必要であります。

今般、消防庁においては「外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン」を策定・公表いたしました。ガイドラインではデジタルサイネージやスマートフォンアプリ等の活用などによる避難誘導等の多言語化、文字等による視覚化、障害など施設利用者の様々な特性に応じた対応などの取り組みについて示しています。また、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け駅・空港や競技場、旅館・ホテルなどの関係施設に周知するとともに、各施設における取組を促しています。そして、各施設において取り組むことが望ましいものとして、一つには情報発信機器の多言語化、文字等の視覚化。二つには施設利用者の様々な特性に応じた避難誘導。三つには配慮を必要とする方への避難誘導に関する施設従事者などへの教育訓練の実施となっております。

今回のガイドラインは、障害者や外国人の施設利用者に視点を当てたものですが、それら施設に限らず、各避難所における避難者の対応においても同じことが言えます。

発災が昼間であったり、灯りがある中とは限りません。また、電灯電源が途絶えた体育館や建物の中では外からの光も入らず、昼間でも真っ暗な場合も考えられます。

一例として、京都市の避難所での夜間防災訓練では、発光型掲示ボード(アンブルボード)を使用した訓練が行われております。アンブルボードは、夜間等困難な被災環境にあっても大いに役立つ情報伝達ツールで、雨の中でも濡れない仕様の発光ボードであります。このような情報伝達・避難誘導ツールは、実際に災害に遭った被災地の方々のアイディアが活かされており、より高い実用性が期待できます。

このようなツールは避難所内でのスケジュールなどの情報伝達や、避難誘導のサイン、または、トイレや福祉避難所の立て看板の代わりにもなり、外国の方との会話のツールとしても、様々な場所で誰にでも使えて、持ち運びが便利で、人的な配置の節約にもなります。

そこで、本区においても夜間・又夜間停電時に大いに役立つ情報伝達・誘導の防災ツールとして、発光型掲示ボード(アンブルボード)を避難所へ配備すべきと考えますが、いかがでしょうか。

加えて、区や地域で行う防災訓練の折には、展示、デモンストレーションして、広く区民へ周知を図り、体験していただくことも大切ではないかと思いますがいかがでしょうか。

ところで、文京区では 、文京区地域防災計画に基づき、防災意識の啓発と実際の災害時において、区民、区民防災組織及び防災関係機関が協力して災害対策活動を円滑にできるよう、総合的で実践的な防災訓練を実施しています。

文京区内を4ブロックに分割し、各ブロック内で一つの避難所を指定し地域住民が参加する訓練を、春夏秋冬に実施します。各ブロックでそれぞれ気候や地域特性を考慮したテーマを設定して、テーマに沿った実践的な訓練を行うとし、8年間で区内にある33避難所全てが避難所総合訓練を実施するとのことです。

加えて、見せる防災としての防災フェスタを実施。区民の防災意識の啓発と防災行動力の向上を図ることを目的とした、住民を主体とする一斉避難(危険回避)訓練と観覧型・体験型の訓練を実施しています。

年4回の避難所総合訓練と年1回の防災フェスタを合わせて文京区では総合防災訓練としています。

本区においても、地域特性等を踏まえたテーマを設定し、これに多様な発災想定を合わせた防災訓練の実施が必要であると考えますがいかがでしょうか。

区長のご所見をお伺い致します。

 

2点目に、LGBTについてお伺いいたします。

先日、LGBTの当事者の方にお会いし、様々、語り合う機会を得ました。

その方は、LGBTについて理解できない、理解しようとしない人に「では、あなたのお子さんがLGBTだったらどうしますか」と問いかけたそうです。理解できなければ、まず、知る努力をしていただきたいとおっしゃっていました。

LGBTとは、恋愛や性愛の方向が同性や男女両方の性に向く方、身体の性と心の性が不一致、または心の性に違和感がある方など、性的少数者と言われている方々の代表的とされるものの頭文字をとった総称です。

このほど、LGBTなど性的少数者のカップルをパートナーとして公的に認める「パートナーシップ制度」の導入を求めて当事者有志で作る「自治体にパートナーシップ制度を求める会」が、報道によりますと中央区、文京区、台東区を含む27市区町議会に、本年5月から6月にかけて請願、陳情、要望書を提出したとありました。

パートナーシップ制度は渋谷区と世田谷区でそれぞれ2015年に始まり、本年8月には中野区が宣誓申込の受付を開始します。そして、この中野区を含めると、現在全国8市区に広がりをみせています。この制度では、現行法制度のもとでは法的効果はないものの、証明書などが交付され、婚姻関係に準じたパートナー間の相互に協力し合い共同生活を継続できるものとしています。

港区では、昨年提出された請願書が区議会において採択され、今後具体的な制度導入に向けて区政も動き出すとのことです。

港区議会の近藤議員は、「当事者の方々が、家族として認められないことで生じる不利益などに認識を深めた」と賛成票を投じた理由を述べています。

渋谷区は、2015年に施行した条例に基づき、パートナーシップ証明書の交付。また、相談窓口「性的少数者のための虹色電話相談」などを実施しています。病院での家族でないとできない面会や賃貸物件の入居などに配慮がされるよう、区民や事業者などに理解と人権尊重の輪がひろがり、同性カップルが暮らしやすい社会になることを期待しているとのことです。

日本はLGBTへの取り組みが遅れており、世界に目を転じますと、カナダをはじめとする多くの国々ではLGBTの方々の人権が尊重されてきました。

LGBTの権利はイコール人権であります。

駐日カナダ大使のイアン・バーニー氏は、平等の権利、多様性、インクルージョン(共生)の尊さを皆様と共感できることを、駐日カナダ大使としてうれしく思っています。LGBTのコミュニティーにとって、重要なこれらの価値観はカナダのアイデンティティーでもあります。どこまでもその人がその人らしく生きられるよう、「より良い共生社会の形成とすべての人の平等のためにこれからも皆様と力を合わせていきたいと思っております。」と日本に向けてメッセージを送られています。

今、LGBTに対して各自治体がしっかりとした認識を示していく時が来たのだと思います。

本来この問題を語る際は、教育現場へ目を向けていかなければなりません。

当事者にとっては、長い間、苦しみを胸に抱え込み、子供時代から自分に自信が持てないでいることが多く、LGBTの子どもは40人クラスの中で3人はいると言われ、トランスジェンダーの約6割が自分自身を否定し苦しみの中で自死を考えたことがあるといわれています。

性自認の時期も様々でいつ自覚がめばえるかその人それぞれで、それがゆえに、教育現場でも実は、悩み苦しんでいる児童や生徒が存在することを考えますと、学校で子どもに寄り添う先生が、正しい知識を持つことが大変重要であると考えます。

すべての区民がお互いの多様性を尊重しあい、すべての人がその個性をいかして、自分らしく生活できる、誰も置き去りにしない共生社会になるよう配慮していただきたいと切に願います。

そこで、今後は、今まで以上に、本区においても本来人間が持っている多様性も対応できるダイバーシティの推進が求められると考えます。その中でLGBTの方々に配慮した相談体制の整備も必要でしょう。区長のご所見をお伺いいたします。

また広く区民にLGBTの方々に対する理解を深めてもらえるような講演会などを充実していくことも大切です。

区長のご所見をお伺いいたします。

 

3点目は、ファンド活用による空き家活用についてお伺いいたします。

昨年、谷中・根岸のまちづくりについて一般質問いたしました。現在も木造住宅密集地域では、家屋の老朽化などによる建て替えとその資金繰りの困難さにより、空き家が放置され、危険な空き家がまだまだ増えていくと想定されます。

区としては、各種の専門家を派遣し、相談に乗っていただきながら建替え助成制度事業など建て替えの支援促進に努力して頂いているところではありますが、いずれにしても今後も一朝一夕には進められないさまざまな課題があります。

先日、山形県鶴岡市のNPO法人つるおかランドバンクの取り組みを視察しました。

鶴岡市は、1,311㎢ 東北地方最大面積の市内に、現在人口129,000人が在住する、今でも江戸期から明治維新後の、古い街並みと城下町としての色を濃く残す街です。農地や山地以外の市街の密集地域は、本区の谷中のような街並みで、城下町時代の大きな街割りと、狭い道路や行き止まりが多く、積雪による通行障害が課題でした。

車社会にも関わらず、持ち家の敷地に駐車スペースを設けられないで、離れたところに車を駐車しなければならない状況。

家の老朽化も加速的で人口減少にも歯止めがかからず、空き家、空き地が増加しているとのことでした。

そんな課題解決のため、地域の土地建物の専門家、法律家、早稲田大学からなる研究会が発足され、その後NPO法人つるおかランドバンクが設立されました。

そして、平成24年には民間都市開発機構「住民参加型まちづくりファンド」の採択がなされ、機構と民間企業、市民、鶴岡市から拠出金を得て運営しています。

手法としては小規模連鎖型区画再編事業いわゆるランドバンク事業という、再開発などの大規模な開発によらない民間手法で展開しています。

空き家や空き地の所有者などの利害関係者から寄付や低廉売却での協力を受け、生活しやすい環境に小規模ではあってもそれを連鎖させて再生する手法です。

NPOつるおかランドバンクでは、ランドバンク事業をメインに、付随する活動として空き家回収建て替えに伴う地域コミュニティー施設整備支援など行うランドバンクファンドによる助成事業、様々な用途に転換することを提案するなどの空き家コンバージョン事業、遠方にお住いの所有者の依頼により空き家を管理する空き家委託管理事業、これは管理することにより人の手が入らず老朽化で危険な空き家に加速することを防ぐ事ができます。また、空き家バンク事業では、空き家空き地などの情報を発信し所有者と利活用したいという希望者のマッチングをする事業で、空き家ストック数は全国1位とのことです。

いずれにしましても、行政が立ち入れない民間同士個別の交渉事などを地域の民間活用により空き家の利活用を可能にしています。

そこで、空き家の利活用の手法の一つでもある小規模連鎖型区画再編事業すなわち「ランドバンク事業」について、今後、検討すべきと考えますがいかがでしょうか。

区長のご所見をお伺いいたします。

 

最後に、健康ポイントについてお伺いいたします。

東京都では、「東京都健康推進プラン21(第2次)」の総合目標として、「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」を掲げ、これらを達成するための生活習慣病の発症予防や生活習慣の改善の取り組みを強化するとあります。また、平成27年3月に発行した、「都内区市町村からヒントをもらおう!地域のつながりを通じた健康づくり事業事例集」を平成30年3月に更新し、健康施策の工夫を促しています。

東京オリンピック・パラリンピックの開催まで、あと2年となり、区民の皆さんのスポーツに対する熱も上昇する今、区民の健康増進のチャンスの時でもあります。起爆剤となりうるムーブメントが必要であると考えます。

ご承知のとおり、年々区民の医療給付費は増加し続けています。各種健康診断の受診率をあげ、病気を未然に予防し、健康寿命を少しでも伸ばし、介護予防の実を挙げていくためにも、区民の健康増進を応援する新しい仕組み、区民が楽しく主体的に取り組める仕組みが必要であると考えます。

以前から提案させていただいておりますが、有意義な施策でありますので再度提案させていただきますが、東久留米市や特別区では豊島区など様々な自治体で実施いている、いわゆる健康マイレージ事業について質問いたします。

栃木県矢板市では、今年度から市民の健康づくりのための活動に対して、商品券と交換できる特典を付与する「矢板健康ポイント事業」を開始しました。300人の定員を設け7月からの本格実施に向け、参加者の募集を始めたとのことです。

ポイントがもらえる主な活動は一日に5000歩以上の歩行や特定検診の受診、「まちなか保健室」の利用などです。

まちなか保健室は市役所や商業施設に新しく開設されるもので、体組成計で健康状態を測定し、保健師や栄養士の助言が受けられるということです。

受け取ったポイントは、専用の歩数計に記録。市内の商店や道の駅で使える商品券で最大3万円分と交換できるということです。

市川市でも実施していて、健康に関する自分だけの目標を設定し、体調管理に努め、目標を達成できた場合や健康診断の受診、禁煙、健康講座やスポーツイベントなどに参加した場合にポイントを付与し、4週間以上チャレンジして一定ポイントを達成した人には、景品と交換できるというものです。また、いつでもどこでも携帯やスマホ、パソコンで気軽にアクセスできるという手軽さが健康づくり活動の習慣化の要因になっているものと思います。

また、健康に対する意識をもっと区民に持っていただくにはやはりムーブメントが重要であると思います。

長崎県長崎市では、県民に親しまれている、がんばらんば体操があります。行事やことあるごとに、がんばらんばの曲に合わせて体操するので常に健康について意識することができ知らず知らずのうちに健康になると、たった数分の体操にいそしみ励んでいるそうです。

健康施策だからこそ、楽しく区民のモチベーションを上げながら取り組む、ということが肝要であると考えます。

そこで、今こそ、区民の健康増進のための施策として、健康ポイントのような健康啓発に対して、区民のモチベーションを高める点で大変有効で意義ある事業を本区も積極的に取り組むべきと考えますが区長のご所見を伺います。

 

以上