平成24年度予算特別委員会総括質問


  1. 平成24年予算特別委員会総括質問
  2. 防災隣組について
  3. 木造住宅密集地域の不燃化対策について
  4. 防災教育について
  5. 学校ボランティアについて


台東区議会公明党の松尾伸子です。3.11東日本大震災より1年を経過した本日、震災の教訓を踏まえ、改めて、今後の首都直下地震等への備えについて、大きく2点に渡り、区長のご所見を、お伺いいたします。

1点目は、防災隣組について伺います

あの3.11震災当日、私自身、街中におりまして、大きな揺れが治まるまで、付近の建物の1階の駐車場に避難させていただきました。
周りに居合わせた方々と、お互いの無事を確認しあい、その後、すぐに、自宅マンションへ帰り、隣近所の方々の状況を伺いにいくと、みなさん、近所同士で、倒れた箪笥を直したりしていました。
特に、一人暮らしの高齢者や小さなお子さんを抱える若いおかあさんが、とても不安な様子でいらっしゃいました。
その方たちは、怖くて、部屋に居られないと、夜遅くまで、マンションの1階のロビーに座り込んでご主人の帰りを待っており、また、両親の帰りを待つ小学生もいました。そして、めいめいが持ち寄ったお菓子を分け合って食べていました。マンション内での、自然発生的な共助の姿がありましたが、あらためて、やはり、震災直後の自助・共助の必要性と支援体制の整備が緊急の課題であると実感しております。
今月7日に、発表された「首都直下地震防災・減災特別プロジェト」の研究成果により、従来の震度6強を上回る震度7に想定が変更されました。あの阪神大震災クラスの強い揺れです。屋内では、固定していない箪笥が倒れ、家具が移動し、OA機器などは飛ぶこともある激しさです。東京湾北部の狭い地域で、浅い震源のため、とても激しい揺れを伴う地震となるのです。この「首都直下地震は、いつ発生しても不思議ではない状況」とも指摘されています。
この被害想定の見直しが発表される前になりますが、昨年11月末、東京都では、災害時の地域に於ける共助の力を強化するため、地域の特性に応じた、近隣住民相互の支援体制など、共助の取り組みを実施している、先進的な自主防災組織の認定制度などを含む「都防災対応指針」が発表されました。
都内には現在、約6千の自主防災組織があるが、休眠状態のところも多いと言われ、一方、町会等の中には、災害時の安否確認の手順を定めたり、非常用発電機や救助用の機器を備えたり、非常時に料金後払いで食料を調達できるよう近隣食料品店と契約するなど、先進的に取り組んでいるところもあり、都はこうしたグループについて、先進的な事例として認定し、事例集を作成・配付し、また、コンクールで表彰するなど、共助の気運を高め、他の地域への波及を図るものです。これ以外にも、専門家の派遣や、地域の防災リーダーの研修等を実施し、共助の中心的役割を担う人材育成に取り組むとしています。
地域の防災・減災意識が高まりつつある中、一方では、仕事などで時間の余裕がなく防災訓練に参加できないという現実もあります。また、高齢世帯の多い地域などへの対応をどうしていくのかなど、それぞれの地域ならではの課題が多くあります。だからこそ、画一的ではない、特色ある取り組みが大事になってくると考えます。

そこで、本区においても、意欲的な共助の取り組みの自主防災組織を掘り起し、顕彰するなど、区独自の地域の防災活動を誘発していく事業を実施すべきと考えますがいかがでしょうか。区長のご所見をお伺いいたします。

(区長答弁)

広域自治体ではなく、区民の生活、地域の事情をよく知る基礎的な自治体の視点で、全区へ、全区民へ波及していくような、台東区ならではの顕彰制度など検討して頂きますよう、お願いいたします。
また、町会などの自主防災組織が、地域内のマンションや、事業所などと連携・協力を図っていくための、身近な協定、申し合わせが必要であると考えますが、この点についても、区長のご所見をお伺いいたします。

(区長答弁)

是非、区主導での、マッチングなどの強力な働きかけをしていくべきと考えますので、十分な検討をして頂き、速やかに実現していくようお願いいたします。

 

2点目に、木造住宅密集地域の不燃化対策についてお伺いいたします

平成14年度より本年まで、本区の谷中地区及び、根岸地区においては、防災性の向上を目的とした密集住宅市街地整備促進事業を実施し道路や公園の整備と不燃化が進められ、さらに平成28年度まで4年間延伸されると伺っております。
ところで、両地区は、狭隘道路や行き止まり道路が多く、また、狭小な敷地や道路に接していない敷地があるなど、耐震、不燃化への建物の更新が進まない状況です。加えて、経済的に負担の多い高齢世帯も少なくない状況の中、今後の事業の推進が困難を極めることは明らかです。
都では、木造から耐火建築へ建て替えた場合の都の助成率引き上げ、固定資産税や都市計画税などの免除も含めた税減免を内容とする「不燃化特区」制度を創設するものと伺っております。

そこで、特に、不燃化が進まず、経済的な負担感が大きい高齢世帯へ焦点をあて、直接、耐火建築物への建て替えを助成する取り組みが必要であると考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。

(区長答弁)
地震の性質も想定震度も変わってきたいま、被害想定も桁違いであると、想像できます。今後も、区民の皆さんの命を預かっているという緊張感をもって、積極的な木密地域の不燃化対策をお願いいたします。

次に、防災教育について教育長にお伺いたします

東日本大震災発生時に、釜石市の小中学生は、地域に伝わる教えを守り、全員が奇跡的に非難することができました。このあまりにも有名な「釜石の奇跡」は様々な事を私たちに教えてくれました。

実は、釜石市は、2006年から5年間、専門家の指導の下、徹底した防災教育を行っていました。防災教育は、まず、大人の意識改革から始まったそうです。三陸地方は、必ずまた津波に襲われる。そのときどうやって子供の命を守るのか。初めはあまり関心のなかった教員達もやがて真剣に教材作りに励み、子供たちに、実際の津波の映像を見せ、算数・数学の授業では、実際の津波の高さを実感させたり、津波が自宅へ到達する時間を計算させたりしたそうです。また、地域の住民と一緒になって、避難訓練に励みました。
同市の防災教育に携わってきた群馬大学大学院の片田教授が教えてきたことは、

  1. 1に、想定を信じるな。「自然の振る舞いを固定的に考えてはいけない」
  2. 2に、ベストを尽くせ。「その状況下において最後までベストを尽くせ。」
  3. 3に、率先避難者たれ。「君が逃げれば、みんなが逃げる。率先して逃げることが多くの人の命を救うことにつながる。」と

日ごろから、繰り返し、叩き込まれてきた子供たちは、中学生を先頭に、また、その姿を見たすべての人々が、自分たちの力で、どこまでも、上へ上へと駆け上がり、小さい子供とお年寄りの手を取って一緒に全員避難することができたのだそうです。
家庭と地域そして学校での防災教育の重要性を実感いたします。

本区においても、この教訓を踏まえ、首都直下地震に当てはめて、津波の可能性も含め、たとえば、幼稚園や保育園などで、幼児期より読み聞かせの本の中に、防災の本を入れていくことや、防災すごろくなど、遊びの中で自然に身に着けていくこと、また、小中学校においても防災教育推進モデル校を指定し、行く行くは全校へと広げていくなど、防災教育の充実を図っていくべきと考えます。そこで、区の防災教育の現状と併せて、教育長のご所見をお伺いいたします。

(教育長答弁)
やはり、スピード感を持って、行政の責任として、さらに、検討して頂き、実際の避難訓練も頻度を増やし、様々な想定の内容を子供たちに投げかけながら、どう行動に移すかなどの実施方法の検討もぜひお願いいたします。

 

最後に、学校ボランティアについて、教育長にお伺いいたします

現在、学校の読書活動の推進には、ボランティアの方々の貢献が大きく、図書館司書の各校への派遣とも相まって、各校の図書教育が盛んになっているところでありますが、一方で、携わる方の固定化や、役割が不明確ではないかと感じられたり、負担に感じる方もいらっしゃると伺っております。また、謝礼として配布される図書カードに関しても、謝礼を求めてボランティアをされる方は、いらっしゃらないと思いますが、参加者数に見合うものでもなく、満足のいく形ではない現状です。

そこで、この際、本来、ボランティアは無償を原則とするものと思いますので、謝礼としての図書カードの配布に替え、その予算を、ボランティアお一人おひとりのスキルアップのための研修などを行うことにより、目的感を持って、やりがいを感じていただけるように、また、たくさんの方々に、関わっていただき、図書館ボランティアのすそ野を広げていただくために使うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。教育長のご所見をお伺いいたします。

(教育長答弁)
この際、原点に立ち返り、新たな思いで、ボランティアの皆さんが喜んで携わっていただけるように、事業の再整備をぜひお願いいたします。
以上で、総括質問を終了いたします。